岩手県大船渡市には天然記念物に指定されている桜がいくつかあります。中でも「奥州しだれ桜」と称される桜は古くから地元の人々に愛されてきた見事な桜であり、春の大船渡市を彩る名勝でもあるのです。
ここでは、岩手県が誇る3本の名桜についてご紹介していきます。桜の見頃にはもちろん、青葉の季節や紅葉の時期にも訪れて欲しい絶景スポットとなっています。
権現堂の桜
画像引用:「名桜・古桜・一本桜」より
大船渡市盛町の権現堂吉野森神社にある「奥州しだれ桜」は、樹齢300年を超えるといわれており、地域のシンボルとしても有名な存在です。大船渡市は東日本大震災で甚大な被害を受けた地域の一つですが、こちらの桜は高台にあるため震災の被害が少なく済みました。
この桜は震災直後も見事な花を咲かせていたことでも知られています。町を見守るようにして咲き誇る桜の姿は、岩手の復興を象徴するかのような美しさを持っています。
中井の桜
こちらは大船渡市赤崎町中井にある「奥州しだれ桜」です。目通り周囲が3.3メートルもある巨木であり、他の桜よりも開花時期が遅めという特徴があります。枝振りの美しさが魅力です。
長安寺の桜
画像引用:「大船渡のサクラ」より
日頃市町長安寺の境内にある、こちらの「奥州しだれ桜」はお寺を墓地を守るように立っている老木です。老いが目立ちつつある木ですが、長年に渡ってこの地を訪れる人々の目を楽しませてきた名桜でもあります。開花期には斜面を覆うように咲く花々を見ることができます。創建から900年という歴史を誇る長安寺において、お寺のシンボルとも呼べる大切な桜の木として親しまれています。
岩手県の名桜といわれるこれらの「奥州しだれ桜」は、春の岩手を語るにあたって欠かせない存在です。いまだ震災の爪痕が多く大船渡市において、強い生命力と春の訪れを感じさせてくれる見事な桜たち。岩手県に住む人はもちろん、東北エリア以南の人にもぜひ訪れてほしいスポットとしておすすめします。
一人で見に行くのももちろんおすすめですが、できれば家族や恋人など、大切な人と一緒に見に行くとより印象深い体験になるのではないでしょうか。