岩手県には「日本三大鍾乳洞」に含まれる鍾乳洞があります。国の天然記念物にも指定されており、全容は5000メートルにも及ぶといわれる巨大な鍾乳洞です。世界有数の地底湖もあり、大自然の雄大さと神秘に触れることができる体験型観光スポットとなっています。ネイチャーツアーの際は絶対に行きたい、岩手が誇る鍾乳洞をご紹介します。
幻想的な世界を体験!龍泉洞と龍泉新洞
下閉伊郡岩泉町にある「龍泉洞」は、今わかっている部分だけでも3,600メートル以上の長さがある鍾乳洞です。公開されている部分は700メートルほどしかありませんが、まだ発見されていない部分も含めると、その長さは5,000メートル以上とも予想されているのです。8つの地底湖を持ち、「リムストーン」や「洞窟サンゴ」といった自然が作り出した造形美も楽しむことができます。また、洞内にはこうもりやえびなどの珍しい生物も多く存在しています。数ある見所の中でも、地底湖は必見です。
画像引用:TapTrip「神秘の青さにうっとり!一度は行ってみたい龍泉洞」より
特に第三地底湖は水深が98メートルありながらも透明度が高く”ドラゴンブルー”とも表現される深い青が印象的な湖です。運がよければダイバーによる潜水調査が行われているところを見ることができます。
一年に一度、専門家の立会いにより行われる潜水調査では、新しい発見がある可能性もあり、龍泉洞の歴史が変わる瞬間に立ち会えるかもしれないのです。
神秘的な伝説が残る龍泉洞
龍泉洞には、その名の通り龍にまつわる伝説があります。
<龍泉洞にまつわる伝説>
その昔、宇霊羅山(うれいらさん)の麓辺りからシューシューと大きな音が聞こえ始めました。何の音かと岩泉の人々が驚く中、音はだんだん大きくなるばかり。
「この世が壊れるのではないか」とみんな心配になり、おろおろし始めました。大きな音は七日七晩続き、ついにはシューッ、シューッ、シュウウウッと特別大きな音がして、大きな龍蛇が岩山を割って飛び出したのです。龍蛇はたちまち天に駆け昇って見えなくなり、龍蛇が飛びぬけた跡には美しい泉が湧き出しました。
泉の水は冷たくておいしく、岩泉のひとびとのは大変喜んだということです。こうして龍泉洞ができたのです。
龍泉洞の全容を地図で確認してみると、確かに龍が抜け出たかのような長くうねりのある道筋になっています。洞内にはユニークな形の鍾乳石や岩があり、一つ一つ名前が付けられています。中には龍や獅子に見える岩などもあり、とても見応えがあります。
龍泉洞はパワースポットとしても人気があり、探検後には何となく自然のパワーを分けてもらった気持ちになれます。「日本三大鍾乳洞」の一つ・龍泉洞。圧倒されるほど美しく見応えのあるスポットなので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょう?