岩手県には自然を楽しめるスポットがたくさんありますが、中でも特に雄大な自然の光景を楽しめるのが、この「八幡平(はちまんたい)」です。岩手県と秋田県の境目にある「八幡平」は、奥羽山脈北部の山郡です。
標高1,614mで、展望台も設置されており、八幡平アスピーテラインを使えば頂上付近まで車で上ることもできます。
トレッキングにも適しており、新緑と紅葉の時期は特に人気があります。
原始的な趣を残す高山の風景を楽しもう!
「八幡平」は約100万年前に噴出した複数の火山からできています。頂上部には5,000年以上前にできた火口があり、そこに水が溜まることでできた、たくさんの沼があります。
このため湿原性の植物も多く生息しており、一般的な高山植物に加えて個性豊かな生き物を観察することができるエリアなのです。頂上付近まで整備された道路が通っているものの、道路から少し離れただけで原生林や針葉樹林を見ることができます。
冬になるとこれらの高木に樹氷が付くことも有名で、多くのスキーヤーが訪れるウインタースポーツスポットとしても人気が高いようです。「八幡平」を訪れる際、ぜひチェックして欲しいのが県内有数の火口沼です。
東西600m、南北200mもの大きさを誇る「八幡沼」は、岩手県内で2番目に大きい火口沼となっています。黒味を帯びた青色の湖面は火口沼ならではの色合いで、他ではなかなか見ることのできない幻想的な光景が広がります。また、「八幡沼」近くにある「ガマ沼」も必見です。
こちらは2つの火口が連なってできた沼で、最大水深は約9mにもおよびます。名前からしてカエルや植物のガマが生息していそうなイメージですが、この「ガマ沼」にはサンショウウオが生息しているので運がよければその姿を見ることができるかもしれません。
伝説も残る「八幡平」の神秘的な魅力とは
「八幡平」の魅力は自然だけではありません。ここには、日本史に名を残す名将である坂上田村麻呂にまつわる伝説が残っているのです。
伝説によると、桓武天皇の勅命により奥州蝦夷征伐のためこの地を訪れた坂上将軍は、「八幡平」の美しい光景に感嘆したのだといいます。坂上将軍は戦での勝利を祈願して、戦の髪である八幡神宮を奉りました。